小児救急患者の痛みと不安にVRワールドは効果がない
Analgesic and Anxiolytic Effects of Virtual Reality During Minor Procedures in an Emergency Department: A Randomized Controlled Study
背景
近年のオピオイド危機は、救急患者における非薬理学的鎮痛の重要性を改めて強調した。
スイスUniversity of LausanneのBossoらは、マイナーな処置を受ける18歳未満の救急外来患者を、3Dヘッドマウントディスプレイを用いたバーチャルリアリティ(VR)の観賞またはラップトップの2Dディスプレイでの観賞へと割り付け、処置中の疼痛・不安への影響を評価するランダム化比較試験を実施した(n=117)。
結論
100-mmのビジュアルアナログスケール(VAS)によって評価された処置時の疼痛および不安に、2Dと3Dで有意な差はなかった。生成されたVRワールドの臨場感(telepresence)や観賞中のVR酔い(cybersickness)にも有意な差はなかった。
評価
ヘッドセットVR介入が有効とする研究もあったが(https://doi.org/10.1111/acem.14412)、この試験では、VRの気晴らし効果はラップトップの2D画面と差がなかった。VR技術は発展の途上にあり、今後より効果的なアプローチが登場することもありうる。