脳震盪後は早く学校に戻ったほうが回復が早い
Association Between Early Return to School Following Acute Concussion and Symptom Burden at 2 Weeks Postinjury

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
January 2023
6
開始ページ
e2251839

背景

脳震盪後の回復に関する考え方は近年様変わりしており、受傷直後の身体的・認知的休息の後は、絶対の安静は必要でなく、漸進的に活動的になることが推奨されている。
アメリカChildren’s National HospitalのVaughanらは、Pediatric Emergency Research Canada Networkに属するカナダ9施設の小児救急外来を受診した、5〜18歳の急性(48時間以内)脳震盪患者を対象とする前向コホート研究の二次解析を実施し、脳震盪後の休学期間と受傷後14日時点の症状負荷(Post-Concussion Symptom Inventoryスコア)の関連を評価した(n=1,630)。

結論

53.7%にあたる875名が、欠席日数3日未満の早期復学を果たした。欠席日数は、5〜7歳では平均2.61日、13〜18歳では平均4.71日と年齢が上がるに従い増加する傾向にあった。早期復学は、8〜12歳および13〜18歳のグループにおいて14日時点の症状負荷軽減と関連したものの、5〜7歳のグループでは関連しなかった。5〜7歳のグループを除くと、早期復学と症状負荷軽減の関連は、受傷痔の症状が大きい児ほど強かった。

評価

2日以内の学校復帰が症状負荷の軽減と関連することを明らかにした。長すぎる安静は、かえって回復を遅らせる可能性があるとする既存のデータと合致するもので、大半の脳震盪患者では、初期の休息後、速やかな活動復帰が推奨されよう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)