ISCHEMIAは衝撃のランドマーク結果をEXTENDする
Survival After Invasive or Conservative Management of Stable Coronary Disease
背景
ランドマークISCHEMIA試験は、初期の中央値3.2年報告を超えてEXTEND追跡を続行中である。
アメリカNYUのHochmanら(ISCHEMIA-EXTEND)は、安定冠疾患患者をガイドライン準拠薬物治療に加え、侵襲的治療と保存的治療に割り付けたISCHEMIA試験参加者の、中央値5.7年における全死亡・心血管系死亡・非心血管系死亡アウトカムの解析結果を報告している(n=5,179 [中等〜重度の虚血、LVEF≧35%、ACS既往なし])。
結論
追跡期間中に557名が死亡し、その268名は延長追跡期間中であった。全死亡には前回同様群間差がなかった。侵襲的治療群は、保存的治療群と比較して7年心血管因死亡リスクが低かったが(aHR 0.78)、7年間非血管因死亡リスクが高かった(aHR 1.44)。多枝病変を含む全事前指定サブグループにおいて、治療効果の異質性は明らかでなかった。
評価
安定冠動脈疾患患者には、侵襲アプローチは必要がない、というISCHEMIAのメッセージをさらに強化する追跡結果である。侵襲アプローチが心血管因死亡リスクを下げる一方、非心血管因死亡リスクを上げて効果がキャンセルされる、という観察は興味深く、また多枝病変でも差がない、という結論は重い。侵襲アプローチの選好の現在の根拠は、症状軽減という点に絞られる。