胆道がんで術後補助S-1療法が新たな標準治療に:JCOG1202(ASCOT)試験
Adjuvant S-1 compared with observation in resected biliary tract cancer (JCOG1202, ASCOT): a multicentre, open-label, randomised, controlled, phase 3 trial
背景
胆道がんの切除後生存率は良好とは言いがたく、有効は術後補助療法が必要とされてきた。
日本Tochigi Cancer Center(栃木県立がんセンター)のNakachiらは、国内38施設で胆道がん(肝外胆管がん、胆嚢がん、Vater膨大部がん、肝内胆管がん)の切除を受けた患者(20〜80歳)を、経過観察またはS-1術後補助療法へと割り付ける第3相ランダム化比較試験JCOG1202(ASCOT)を実施した(n=440)。
結論
3年全生存率は、経過観察群で67.6%、S-1群で77.1%であった(調整ハザード比 0.69)。3年無再発生存率は、それぞれ50.9%、62.4%であった(0.80)。S-1群の主なグレード3・4有害事象として、好中球数減少症(14%)、胆道感染(7%)があった。
評価
胆道がんでは、BCAT試験を始めとして術後補助化学療法を検証する複数の試験が失敗に終わってきたが、本試験により、S-1療法が新たな標準治療となろう。