フルストマックの迅速導入気管挿管(RSI)でレミフェンタニルは筋弛緩薬に劣る:REMICRUSH試験
Effect of Remifentanil vs Neuromuscular Blockers During Rapid Sequence Intubation on Successful Intubation Without Major Complications Among Patients at Risk of Aspiration: A Randomized Clinical Trial
背景
迅速導入気管挿管(RSI)において筋弛緩薬を用いることができない場合、オピオイドを用いる場合がある。
フランスNantes UniversiteのGrillotらは、同国15施設の手術室で誤嚥リスクのある成人患者(絶食6時間未満:腸閉塞・外傷・重度胃食道逆流)のRSIにおいて、麻酔薬の投与直後に神経筋遮断薬(サクシニルコリンまたはロクロニウム)またはレミフェンタニル(3〜4 μg/kg)の投与を行う群に割り付けるランダム化非劣性試験REMICRUSHを実施した(n=1,150)。
結論
重大な合併症(誤嚥・酸素飽和度低下・重度血行動態不安定化・持続性不整脈・心停止・重度アナフィラキシー反応)のない初回挿管成功率(as-randomized population)は、レミフェンタニル群で66.1%、筋弛緩薬群で71.6%であり、レミフェンタニルの劣性が示された。Per-protocol populationでも同様であった。血行動態の不安定化はレミフェンタニル群の3.3%、筋弛緩薬群の0.5%で発生した。
評価
レミフェンタニル群ではファーストパス率が低く、血行動態不安定性も増加した。原則としてサクシニルコリン・ロクロニウムを用いるべきである。