雷鳴頭痛患者のくも膜下出血は3.6%
Thunderclap headache syndrome presenting to the emergency department: an international multicentre observational cohort study
背景
雷鳴頭痛は、発症から非常に短い時間でピークに達する激しい頭痛であり、くも膜下出血(SAH)を初めとした重篤な疾患が潜んでいる可能性がある。
イギリスRoyal College of Emergency MedicineのRobertsらは、頭痛を訴えて救急外来を受診した成人患者を対象とした国際共同観察研究HEAD studyの事前指定二次解析として、雷鳴頭痛を呈する患者が、それ以外の頭痛患者と比して、より重大な病理を有するかを調査した(n=4,536)。
結論
14.2%が雷鳴頭痛を呈した。このうち62.7%で頭部CT画像検査、10.6%で腰椎穿刺が実施された。重大な病理的原因は10.9%で特定され、それ以外の患者の6.6%より有意に高かった。SAHは雷鳴頭痛の3.6%に認められ、それ以外の患者では0.3%に認められた。SAHは全例でCTによって診断に至った。また、雷鳴頭痛の87.7%で重大でない脳内病理が認められた。
評価
雷鳴頭痛患者のほとんどは良性であったものの、SAHを含め重大な原因も含まれた。ガイドラインで推奨されているCT評価が1/3で行われていない点は問題で、標準化が求められる。また、SAHの診断において腰椎穿刺の付加的価値はなかった。