フレイル高齢者は救急医療に何を望むか
Emergency care for older people living with frailty: patient and carer perspectives
背景
フレイルの高齢者は救急外来でのケアに対する独自のニーズを有すると考えられるが、十分研究されていない。
イギリスUniversity of LeicesterのRegenらは、イングランド3施設の救急外来から、現在または最近に救急医療を受けたフレイルを有する75歳以上の参加者を募集し、半構造化インタビューにより、彼らの救急での経験および救急医療におけるプライオリティ・望ましいアウトカムについて調査した。
結論
24名の患者、16名のケアラーがインタビューを受けた。多くは過去の否定的経験に由来する、救急外来搬送を避けたいという強い願望があり、受診について無力感・不本意感を感じていた。スタッフの態度についてはおおむね肯定的であったが、食事・排泄の介助が得られないこと、堅いトロリーでの長時間の待期など、基本的な事項が救急での否定的経験の多くを占めた。意思決定でのコミュニケーション・関与は改善の余地があり、近親者の関与は長い待期時間での支援において非常に重要とみなされた。
評価
フレイル患者は救急外来の受診に非常に消極的であり、待期時間、混雑、介助の不在、意思決定からの疎外などが否定的な経験として報告された。よりフレイル・フレンドリーな救急医療の実現に向けた出発点となるべき研究である。