再発膠芽腫でトポテカンの対流強化薬剤送達(CED)
Chronic convection-enhanced delivery of topotecan for patients with recurrent glioblastoma: a first-in-patient, single-centre, single-arm, phase 1b trial
背景
血液脳関門の存在は脳腫瘍に対する全身薬物治療の効果を制限しており、これをバイパスする方法が検討されてきた。
アメリカColumbia UniversityのSpinazziらは、同施設の孤立性再発膠芽腫患者の腫瘍周囲にカテーテルを埋め込み、皮下のポンプからトポテカン投与を計4回行い(Convection-Enhanced Delivery)、その後腫瘍を切除する第1b相臨床試験を実施した。
結論
5名の患者で、CEDは安全に完了した。治療関連有害事象として、グレード3の術中補足運動野症候群が1名で発生した。重篤有害事象はいずれも外科切除に関連しており、治療には関連しなかった。治療後の組織分析では、すべての患者でトポテカンによる腫瘍細胞の減少が認められた。
評価
CEDは、脳腫瘍の薬物療法における障害を回避する局所投与アプローチとして高い期待を集めたが、感染リスクの問題があった。本研究で使用された新たなプロトタイプは、腹部皮下に埋め込まれたポンプからカテーテルで薬剤送達を行うもので、4週間にわたって安全にトポテカン治療が可能であった。既存治療を上回るベネフィットを有するかが、今後の焦点になる。