救急外来でのCT検査削減には学際的アプローチ:系統的レビュー
A Systematic Review of Interventions to Reduce Computed Tomography Usage in the Emergency Department
背景
不要なCT検査は医療システムへの負担だけでなく患者の将来のリスク上昇につながるが、診断精度・安全性を損わずにCT検査を削減することは難題である。
カナダUniversity of Calgary, CalgaryのDunneらは、システマティックレビューにより、救急外来ベース介入によるCT検査使用率への影響を評価した2020年までの研究を特定し、最も効果的な介入を探索した。
結論
149件の研究が含まれ、コンセンサスレビューにより、15種の単一介入と11種の多種介入へと分類された。CT使用率を低下させた介入として、診断パス(diagnostic pathway)、代替検査(エコーやMRI)使用、専門医の関与・フィードバックがあった。家族・患者の教育、臨床意思決定支援ツール、ガイドラインの配布は一貫した効果を持たなかった。使用削減介入による下流効果を報告したのは44%に過ぎなかったが、診断見逃しや害は確認されなかった。複数の専門医が関与した介入は、救急外来のみで完結する介入よりも大きな効果を示した。
評価
安全性や医療の質を損なうことなく、不要なCTを抑制することは可能であり、とくに複数の科にまたがる学際的介入(婦人科への受診や小児救急医の導入、コンサルテーションなど)は大きな効果が期待できた。


