小児の処置時鎮静における喉頭痙攣発生率は0.3%
Predictors of Laryngospasm During 276,832 Episodes of Pediatric Procedural Sedation
背景
喉頭痙攣は鎮静時に稀ながら発生する、危険な合併症である。
アメリカBoston Children’s HospitalのCosgroveらは、Pediatric Sedation Research Consortiumに参加する64施設で鎮静を受けた22歳以下の連続患者の前向データから、喉頭痙攣およびその予測因子、介入とアウトカムの関連について検証した(n=276,832)。
結論
913件の喉頭痙攣イベントが報告された(粗有病率1000回あたり3.3件)。若年、高いASAカテゴリー、上気道感染の併存(調整オッズ比 3.94)、気道処置(3.73)がリスク増加と関連した。プロポフォール単独の場合と比較して、プロポフォール+ケタミン(2.52)、プロポフォール+デクスメデトミジン(2.10)では、リスクが増加した。喉頭痙攣のアウトカムとして、30秒以上の酸素飽和度70%未満への低下(19.7%)、処置未完了(10.6%)、緊急気道介入(10.0%)、気管挿管(5.3%)、計画外入院・ケアレベル上昇(2.3%)、誤嚥(1.1%)、心停止(0.2%)が発生した。
評価
大規模な前向データの二次解析から、小児の処置時鎮静における喉頭痙攣の実態を明らかにした。修飾可能な予測因子として、プロポフォールとケタミン/デクスメデトミジンの併用があったが、絶対リスクは非常に小さく、あえてこれを避ける必要があるかは不明である。