小児の処置時鎮静における喉頭痙攣発生率は0.3%
Predictors of Laryngospasm During 276,832 Episodes of Pediatric Procedural Sedation

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
December 2022
80
開始ページ
485

背景

喉頭痙攣は鎮静時に稀ながら発生する、危険な合併症である。
アメリカBoston Children’s HospitalのCosgroveらは、Pediatric Sedation Research Consortiumに参加する64施設で鎮静を受けた22歳以下の連続患者の前向データから、喉頭痙攣およびその予測因子、介入とアウトカムの関連について検証した(n=276,832)。

結論

913件の喉頭痙攣イベントが報告された(粗有病率1000回あたり3.3件)。若年、高いASAカテゴリー、上気道感染の併存(調整オッズ比 3.94)、気道処置(3.73)がリスク増加と関連した。プロポフォール単独の場合と比較して、プロポフォール+ケタミン(2.52)、プロポフォール+デクスメデトミジン(2.10)では、リスクが増加した。喉頭痙攣のアウトカムとして、30秒以上の酸素飽和度70%未満への低下(19.7%)、処置未完了(10.6%)、緊急気道介入(10.0%)、気管挿管(5.3%)、計画外入院・ケアレベル上昇(2.3%)、誤嚥(1.1%)、心停止(0.2%)が発生した。

評価

大規模な前向データの二次解析から、小児の処置時鎮静における喉頭痙攣の実態を明らかにした。修飾可能な予測因子として、プロポフォールとケタミン/デクスメデトミジンの併用があったが、絶対リスクは非常に小さく、あえてこれを避ける必要があるかは不明である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)