COVID-19患者での覚醒下腹臥位療法は挿管を減らす、死亡率への効果は?:メタ解析
Efficacy of awake prone positioning in patients with covid-19 related hypoxemic respiratory failure: systematic review and meta-analysis of randomized trials

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The BMJ
年月
December 2022
379
開始ページ
e071966

背景

COVID-19では、人工呼吸器使用を抑制するべく覚醒下での腹臥位療法(APP)が試みられてきた。
カナダUniversity of AlbertaのWeatheraldらは、COVID-19による低酸素性呼吸不全患者を対象に、APPと通常ケアを比較したランダム化比較試験を特定し、有効性と安全性を検討するシステマティックレビューおよび頻度主義/ベイズ主義メタアナリシスを実施した。

結論

患者2,931名を含む、17試験が基準を満たした。APPは、気管挿管リスクを減少させた(24.2% vs. 29.8%, 相対リスク 0.83)。死亡率(15.6% vs. 17.2%, 0.90)、人工呼吸器不要日数・ICU滞在期間・入院期間・酸素投与強化については有意差はなかった。ベイジアンメタアナリシスでは、気管挿管に関するAPPの有効性(0.95以下の相対リスク)の事後確率は96%であったが、死亡率に関する事後確率は68%であった。

評価

APPは気管挿管リスクを軽減したものの、死亡率への効果は堅固ではなかった。Editorialsは、APPに必要なリソースを、より重症の患者に集中することを提案している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)