再発・難治DLBCLがglofitamabにより治癒の可能性
Glofitamab for Relapsed or Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
December 2022
387
開始ページ
2220

背景

Glofitamabは、B細胞上のCD20と、T細胞上のCD3を標的とする二重特異性(bispecific)抗体であり、再発・難治性のB細胞リンパ腫患者を対象とした第1相試験で有望性を示している。
オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのDickinsonらは、2ライン以上の治療歴を有する再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者を、サイトカイン放出症候群を軽減するためのオビヌツズマブ投与後、glofitamab単剤療法を行う1-2相試験の第2相部を実施した(n=155)。

結論

フォローアップ期間12.6ヵ月(中央値)時点で、39%が完全奏効であった。CAR T細胞療法歴のある患者においても35%が完全奏効であった。完全奏効までの期間は42日で、大半が12ヵ月時点で持続しており、12ヵ月無増悪生存率は37%であった。有害事象によるglofitamabの中止は9%で発生した。グレード3以上の有害事象は62%で発生したが、グレード3以上のサイトカイン放出症候群は4%で、神経学的事象は3%であった。

評価

CAR T細胞療法後の患者を含めて1/3の患者で完全奏効、その多くが長期にわたって完全奏効を維持していた。再発・難治DLBCLの治癒の可能性をも示す、非常に有望な結果である。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)