再発・難治DLBCLがglofitamabにより治癒の可能性
Glofitamab for Relapsed or Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma
背景
Glofitamabは、B細胞上のCD20と、T細胞上のCD3を標的とする二重特異性(bispecific)抗体であり、再発・難治性のB細胞リンパ腫患者を対象とした第1相試験で有望性を示している。
オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのDickinsonらは、2ライン以上の治療歴を有する再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者を、サイトカイン放出症候群を軽減するためのオビヌツズマブ投与後、glofitamab単剤療法を行う1-2相試験の第2相部を実施した(n=155)。
結論
フォローアップ期間12.6ヵ月(中央値)時点で、39%が完全奏効であった。CAR T細胞療法歴のある患者においても35%が完全奏効であった。完全奏効までの期間は42日で、大半が12ヵ月時点で持続しており、12ヵ月無増悪生存率は37%であった。有害事象によるglofitamabの中止は9%で発生した。グレード3以上の有害事象は62%で発生したが、グレード3以上のサイトカイン放出症候群は4%で、神経学的事象は3%であった。
評価
CAR T細胞療法後の患者を含めて1/3の患者で完全奏効、その多くが長期にわたって完全奏効を維持していた。再発・難治DLBCLの治癒の可能性をも示す、非常に有望な結果である。