救急の筋骨格痛鎮痛でオピオイドはNSAIDsに優れず:メタ解析
Effectiveness of Opioid Analgesic Medicines Prescribed in or at Discharge From Emergency Departments for Musculoskeletal Pain: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
救急外来には筋骨格系の痛み(整形外科的疼痛)を伴う患者が多く訪れ、オピオイドや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、局所・全身麻酔薬などの治療オプションがある。
オーストラリアUniversity of SydneyのJonesらは、救急外来の成人患者を対象に、オピオイドとプラセボ/非オピオイド鎮痛薬との比較を行ったランダム化比較試験を特定し、有効性・安全性を評価するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
42本の論文が解析に含まれた(n=6,128)。オピオイドは、プラセボあるいはアセトアミノフェンよりも短期疼痛の軽減に有効であった一方、NSAIDsや局所麻酔薬、全身麻酔薬には優らなかった。オピオイドの害のリスクは、プラセボ、アセトアミノフェン、NSAIDsよりも高い可能性があったものの、エビデンスの確実性は非常に低かった。
評価
オピオイドは、鎮痛有効性についてNSAIDsやケタミンと同等で、安全性については確実性は低いものの、NSAIDsよりも有害な可能性があった。最適な鎮痛戦略の結論を出すには、さらなる研究の蓄積が不可欠である。