縮毛矯正剤は子宮体がんのリスクか
Use of Straighteners and Other Hair Products and Incident Uterine Cancer
背景
ヘアカラー・パーマネント製品には内分泌攪乱作用や発がん性のある化学物質が含まれている可能性があり、これまで乳がんや卵巣がんなどへの影響が指摘されている。
アメリカNational Institute of Environmental Health SciencesのChangらは、乳がんの姉妹がいる女性を登録したSister Studyの35〜74歳の参加者33,947名を対象に、質問票により調査したヘアケア製品の使用と子宮体部のがん・肉腫との関連を調査した。
結論
10.9年のフォローアップ期間で378件の子宮体がんが同定された。過去12ヵ月間の縮毛矯正剤の使用は、子宮体がんのリスクであった(ハザード比 1.80)。過去12ヵ月に4度以上の頻繁な使用の場合、関連はより強かった(2.55)。染毛剤その他のヘアケア製品は、子宮体がんリスクと関連しなかった。
評価
縮毛矯正剤・永久染毛剤と乳がんリスクの関連を指摘した2020年の研究の続編であり(https://doi.org/10.1002/ijc.32738)、縮毛矯正剤が子宮体がんリスクを倍増させることを明らかにした。本論文の公開直後には訴訟も提起されるなど、大きな社会的関心を集めており、さらなる調査が必要だろう。