低所得層肥満患者に金銭インセンティブ減量介入
Effectiveness of Goal-Directed and Outcome-Based Financial Incentives for Weight Loss in Primary Care Patients With Obesity Living in Socioeconomically Disadvantaged Neighborhoods: A Randomized Clinical Trial
背景
公衆衛生介入では、金銭インセンティブ法がしばしば提案される。
アメリカUniversity of FloridaのLadapoらは、低所得地域在住の肥満患者668名を対象として、この手法の効果を検証するRCTを行った。患者を、金銭的インセンティブを用いた目標型・結果型の2介入群とリソースのみのコントロール群に割り付けた。コントロール群には1年間の商業的減量プログラムメンバーシップと体重計や活動量計などのセルフモニタリングツール、健康教育と月1度の対面相談を提供し、介入群では同様のリソースに加え、目標型では減量行動への金銭的インセンティブを、結果型では減量率への金銭的インセンティブを提供した(最高額$750)。一次アウトカムは、6ヵ月以内に5%以上の減量を達成した患者率である。
結論
金銭インセンティブ介入の一次アウトカム効果を認めた(差:結果型 vs. 目標型, 10.08%:コントロール vs. 結果型, 27.03 %:コントロール vs. 目標型, 16.95%)。減量患者率は結果型グループが高かったが、減量総量は両介入群同等だった。支払い平均は、目的型グループで$440.44、結果型グループで$303.56だった。
評価
低所得層肥満層への金銭的インセンティブが有効であるということには先行報告がある(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33087083/)。著者らは、想定していたより減量は少なかったとしているが、減量行動の持続性は目標型介入群の方が高かった、という。