聴覚障害者は救急外来の滞在時間が30分長くなる
Emergency department condition acuity, length of stay, and revisits among deaf and hard-of-hearing patients: A retrospective chart review
背景
聴覚障害者は医療へのアクセスに大きな困難を抱えている。
アメリカUniversity of MichiganのJamesらは、大規模な大学付属医療施設のデータを用いた後向カルテレビューにより、聴覚障害のある手話者、聴覚障害のある英語話者、聴覚障害のない英語話者、それぞれの救急外来滞在時間や救急再受診を比較した。
結論
聴覚障害を有する手話者は、聴覚障害のない患者と比して、救急滞在時間が平均30分長かった。重症度や疼痛スコアには差がなかった。急性期の救急外来再受診の61%は、聴覚障害を有する英語話者患者が占めた。
評価
聴覚障害者が救急医療で直面する、無視し得ない不利益を明らかにした。聴覚障害者の医療ケアニーズは高く、インクルーシブな医療の実現は最重要の課題である。