治療抵抗性高血圧に新規二重エンドセリン受容体拮抗薬aprocitentan登場:PRECISION
Dual endothelin antagonist aprocitentan for resistant hypertension (PRECISION): a multicentre, blinded, randomised, parallel-group, phase 3 trial
背景
治療抵抗性高血圧に新規二重エンドセリン受容体拮抗薬aprocitentanは有効・安全か。
オーストラリアUniversity of Western AustraliaのSchlaichら(PRECISION)は、同患者730名を対象として、これを検証する第3相試験を行った(対照:プラセボ、44週)。患者は利尿剤を含む3種類の降圧剤からなる標準的バックグラウンド療法を受けているにもかかわらず、座位収縮期血圧が140mmHg以上であった。一次エンドポイントは、ベースラインから4週目まで(part 1)および休薬ベースラインから40週目まで(part 2)の、医療者不在環境で測定した診察室収縮期血圧(SBP)の変化である。
結論
Aprocitentanの一次アウトカム効果を認めた(対プラセボ差 -3.8mm Hg)。最も高頻度の有害事象は軽〜中等度の浮腫・体液貯留で、実薬投与が7名で中止された。また、試験期間中に計11件の治療期死亡が発生したが、責任医師はいずれも本試験の治療とは無関係であると判断した。
評価
同クラスの先行薬bosentan・darusentan は、有効性が認められたものの、有害事象により放棄されている。Idorsiaのこの新薬も、高リスク患者集団を対象としたとはいえ、有害事象が目立ち、広汎な使用につながるかどうかは不明である。