フラボノール摂取の認知機能低下予防効果を示す
Association of Dietary Intake of Flavonols With Changes in Global Cognition and Several Cognitive Abilities
背景
フラボノール摂取で認知機能低下を予防できるか。
アメリカRush University のHollandらは、Rush Memory and Aging Project登録者(60〜100歳)を対象として、これを検討する前向コホート研究を行った(n=961、平均6.9年追跡) 。食事内容を半定量的食物摂取頻度調査を用いて評価し、年に1度、エピソード記憶・意味記憶 ・包括的認知機能・視空間認知機能・ワーキングメモリー・認知速度などに関する19の標準的認知機能評価を行った。
結論
多因子調整後、フラボノール総摂取量は、包括的認知機能(β estimate=0.004)・エピソード記憶(β=0.004)・意味記憶(β=0.003)・認知速度(β=0.003)・ワーキングメモリ(β=0.003)・視空間認知機能の低下抑止と関連した。特にケンペロール・クェルセチン摂取が包括的認知機能低下抑止と関連した。
評価
ポリフェノール・フラボノイドとして既に多くの先行研究のあるテーマで、たとえば14研究を対象とした最新の系統レビューは、ポリフェノール類サプリの認知機能有益性を認めている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36009271/)。作用機序の更なる深掘りがテーマとなる。