心原性ショックに対する即時ECMO戦略はアウトカム改善せず:ECMO-CS試験
Extracorporeal Membrane Oxygenation in the Therapy of Cardiogenic Shock: Results of the ECMO-CS Randomized Clinical Trial
背景
VA-ECMOは心原性ショックに対して用いられることが増えているが、そのエビデンスは堅固ではない。
チェコNa Homolce HospitalのOstadalらは、急速に悪化しているか、重症の心原性ショック患者を、ただちにVA-ECMOを実施するグループと血行動態が悪化した場合にVA-ECMO実施を認めるグループへと割り付け、30日複合エンドポイント(死亡、循環停止、他の機械的循環補助)を比較するランダム化比較試験を実施した(n=122)。
結論
対照群の39%では下流でVA-ECMOが実施された。VA-ECMO複合エンドポイント発生率は、即時VA-ECMO群で63.8%、対照群では71.2%であり、有意な差はなかった(ハザード比 0.72)。各エンドポイント、敗血症・肺炎・脳卒中・下肢虚血・出血などにも有意差はなかった。
評価
早期からのVA-ECMOは、保存的戦略と比してアウトカムを改善しなかった。心原性ショックでのVA-ECMOについては、より大規模なEUROSHOCK試験(NCT03813134)とANCHOR試験(NCT04184635)が進行中であるほか、IABPやImpellaについても検証が進んでいる。