樹状細胞ワクチンDCVax-Lが膠芽腫の生存期間延長
Association of Autologous Tumor Lysate-Loaded Dendritic Cell Vaccination With Extension of Survival Among Patients With Newly Diagnosed and Recurrent Glioblastoma: A Phase 3 Prospective Externally Controlled Cohort Trial
背景
膠芽腫は最も転帰不良な脳腫瘍であり、治療のブレイクスルーが待ち望まれている。
アメリカUniversity of California, Los AngelesのLiauらは、新規診断された膠芽腫患者を、自家腫瘍溶解物と培養した樹状細胞ワクチンDCVax-L+テモゾロミド(n=232)またはプラセボ+テモゾロミド(n=99)に割り付け、その後再発した患者のうち、DCVax-L群の120名、プラセボ群の64名でDCVax-L治療を行い、全生存期間を外部対照群(n=1,366)と比較した。
結論
新規診断患者の全生存期間は、DCVax-L群で19.3ヵ月、対照群で16.5ヵ月であった。48ヵ月生存率はDCVax-L群15.7%、対照群9.9%で、60ヵ月生存率は13.0%、5.7%であった。DCVax-Lを受けた再発患者の全生存期間は13.2ヵ月、対照群では7.8ヵ月であった(ハザード比 0.58)。24ヵ月生存率は各群20.7%、9.6%で、30ヵ月生存率は11.1%、5.1%であった。
評価
高い期待を集めたオーダーメイド樹状細胞ワクチンで、試験開始から14年を経てようやく結果公表となった。外部の対照群を用いている点が重要な制限となるが、長らく目立った前進のない膠芽腫治療に第3相のポジティブ結果がもたらされた意味は大きい。

