乳がん内分泌療法によるほてり・発汗に経口治療薬が登場
Q-122 as a novel, non-hormonal, oral treatment for vasomotor symptoms in women taking tamoxifen or an aromatase inhibitor after breast cancer: a phase 2, randomised, double-blind, placebo-controlled trial
背景
内分泌療法を受けている乳がん患者では、ほてり・発汗・冷えなどの血管運動神経症状が多くみられるが、効果的な治療は欠いている。
オーストラリアQUE OncologyのVrseljaらは、オーストラリア・ニュージーランド・アメリカの18施設でタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬を服用し、週50回以上の血管運動神経症状(中等度以上)を報告した乳がん患者(18〜70歳)に対して、非ホルモン性小分子薬Q-122またはプラセボを割り付け、ホットフラッシュ・寝汗への有効性および安全性を評価する第2相ランダム化比較試験を実施した(n=131)。
結論
治療開始から28日後のホットフラッシュ・寝汗の重症度スコア(VMS-SS)は、Q-122でより大きく低下した(−39% vs. −26%)。治療下発現有害事象はおおむね軽度・中等度であり、群間差はなかった。
評価
エストロゲンに反応する視床下部ニューロンの調整により、血管運動神経症状を軽減することが期待される新薬で、この第2相試験では、乳がん患者のホットフラッシュ・寝汗を有意に改善した。更年期HRTのオルタナティブとしても期待される。