高齢がんサバイバーは他の高齢者より骨折リスクが高い
Fracture Risk Among Older Cancer Survivors Compared With Older Adults Without a History of Cancer
背景
がん経験者・サバイバーはさまざまな疾病のリスクを抱えるが、骨折リスクも高いのか。
American Cancer SocietyのRees-Puniaらは、縦断コホート研究US Cancer Prevention Study II Nutrition Cohortの高齢者データとメディケアレセプトデータを用い、がん既往歴と骨盤・橈骨・椎体骨折・フレイル関連骨折リスクとの関連を分析した(n=92,431)。
結論
12,943名がフレイル関連骨折を経験していた。がん既往のない参加者と比較して、1〜5年前に進行がんと診断されたサバイバーは骨折リスクが高かった(ハザード比 2.12)。この高リスクは、主として椎体骨折(2.46)・骨盤骨折(2.46)によるものであった。化学療法を受けなかったがんサバイバーと比較すると、化学療法を受けたサバイバーは骨折リスクが高かった(診断5年以内でハザード比 1.31)。診断5年以降の運動をしているサバイバーは骨折リスクが低い傾向にあったが、統計的に有意ではなかった(0.76)。また、喫煙は骨折リスクであった(2.27)。
評価
がんサバイバーの高齢者は、がん既往のない高齢者よりも骨盤・椎体骨折のリスクが高かった。喫煙および運動が、このリスクに影響することも示唆され、サバイバー骨折予防プログラムの構築にも有益な情報となる。

