重症患者のせん妄治療にハロペリドールは無益か:AID-ICU試験
Haloperidol for the Treatment of Delirium in ICU Patients
背景
ハロペリドールはせん妄に対して汎用されてきたが、近年のエビデンスはその有効性を疑問視している。
デンマークZealand University HospitalのAndersen-Ranbergらは、急性疾患によりICUに入室した成人患者を、ハロペリドール(1日3回2.5 mg、さらに必要に応じて1日最大20 mg)、または対応するプラセボへと割り付け、90日生存日数を比較するランダム化比較試験AID-ICUを実施した(n=1,000)。
結論
90日目までの退院後生存日数(平均)は、ハロペリドール群で35.8日、プラセボ群では32.9日であった(有意差なし)。90日死亡率はハロペリドール群36.3%、プラセボ群43.3%であった。
評価
2018年のMIND-USA試験(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1808217)に続いてネガティブ結果となった。ただし、90日死亡率は非有意ながら、ハロペリドール群で低い傾向が認められ、無効という結論には早いかもしれない。