妊娠高血圧症候群の慢性高血圧への移行を心エコーで予測する
Peripartum Screening for Postpartum Hypertension in Women With Hypertensive Disorders of Pregnancy
背景
妊娠高血圧症候群(HDP)罹患女性は、慢性高血圧症(CHT)高リスクである。
イギリスSt George's UniversityのThilaganathanらは、HDP後のCHT予測における周産期スクリーニングの有効性を検討する前向縦断研究を行った。HDP女性211名を産前産後に経胸壁心エコー検査し、産後少なくとも3ヵ月でCHTの有無を評価した。
結論
産後追跡中央値124日で、33.2%にCHTを認めた。臨床属性(母体年齢・第1期平均動脈圧)と心エコー指標(LVマスインデックス>75 g/m2、RWT>0.42、E/e比>7)による予測モデルが、優れた識別精度を示した(AUC 0.85)。
評価
HDPのCHTへの移行予測に関する先行研究は、BMI・喫煙・腎機能障害をリスク因子として挙げていた(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4620832/)。UCG指標の重要性を示し、心エコー検診が有力であることを提唱する初めての結果である。