妊娠高血圧症候群の慢性高血圧への移行を心エコーで予測する
Peripartum Screening for Postpartum Hypertension in Women With Hypertensive Disorders of Pregnancy

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
October 2022
80
開始ページ
1465

背景

妊娠高血圧症候群(HDP)罹患女性は、慢性高血圧症(CHT)高リスクである。
イギリスSt George's UniversityのThilaganathanらは、HDP後のCHT予測における周産期スクリーニングの有効性を検討する前向縦断研究を行った。HDP女性211名を産前産後に経胸壁心エコー検査し、産後少なくとも3ヵ月でCHTの有無を評価した。

結論

産後追跡中央値124日で、33.2%にCHTを認めた。臨床属性(母体年齢・第1期平均動脈圧)と心エコー指標(LVマスインデックス>75 g/m2、RWT>0.42、E/e比>7)による予測モデルが、優れた識別精度を示した(AUC 0.85)。

評価

HDPのCHTへの移行予測に関する先行研究は、BMI・喫煙・腎機能障害をリスク因子として挙げていた(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4620832/)。UCG指標の重要性を示し、心エコー検診が有力であることを提唱する初めての結果である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)