便潜血検査後の大腸内視鏡における腺腫発見率と中間期がんリスク:オランダ
Adenoma Detection Rate and Risk for Interval Postcolonoscopy Colorectal Cancer in Fecal Immunochemical Test-Based Screening: A Population-Based Cohort Study
背景
大腸腺腫発見率(腺腫検出率:ADR)は大腸内視鏡検査の品質指標として重要だが、便潜血検査後の精検として実施される大腸内視鏡におけるADRに関するデータは少ない。
オランダErasmus University Medical CenterのWisseらは、同国の便潜血検査による集団ベース大腸がん検診プログラムにおいて、便潜血陽性後に行われた大腸内視鏡検査でのADRと検査後大腸がんリスクとの関連を評価した。
結論
362名の内視鏡医によって116,360件の大腸内視鏡検査が実施され、ADRは中央値67%であった。中間期大腸がんは209件確認された。ADRが1%増加するごとに中間期大腸がんは5%減少した(ハザード比 0.95)。大腸内視鏡検査1,000件あたりの5年中間期がん診断数は、ADRが70%の内視鏡医では約2件であったのに対し、65%、60%、55%の内視鏡医では、それぞれ2.5超、3.5、4.5超であった。
評価
大腸内視鏡による検診では25%が一つの目安とされているが、アメリカ以外で一般的な、便潜血検査→大腸内視鏡検査の順で行われる検診におけるデータは乏しかった。オランダの集団ベース検診から得られた本データは、便潜血陽性後の大腸内視鏡で求められるADRに一つの基準を提供する。


