ICUでの赤血球輸血量は1年死亡リスクと関連
Association between in-ICU red blood cells transfusion and 1-year mortality in ICU survivors
背景
従来よりも低い閾値で赤血球輸血を行う制限的戦略は、近年いくつかの疾患に対して、リベラル輸血戦略を上回るアウトカムを示しているが、ICU滞在中の輸血量と長期アウトカムとの関連はどのようなものか。
フランスAssistance Publique-Hopitaux de ParisのBletらは、ヨーロッパ21施設のICU入室患者を対象とした多施設共同前向研究FROG-ICUにおいて、ICUサバイバーのICU滞在中赤血球輸血と1年死亡率との関連を調査した(n=1,551)。
結論
サバイバーの42%が1単位以上の輸血を受けた。輸血群の患者は、非輸血群よりも重症度が高かった。非重み付け解析では、輸血群の1年死亡率は有意に高く(ハザード比 1.78)、40の交絡因子を考慮した重み付け解析においても、この関連は維持された(1.21)。
評価
ICU患者全体で見ても、制限的輸血がアウトカムを改善する可能性を示唆した。ランダム化比較試験による確認が正当化されよう。