コロナパンデミックによりがん検診の実施数が半減:系統レビュー・メタ解析
Global Association of COVID-19 Pandemic Measures With Cancer Screening: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
COVID-19の世界的大流行は、各国の公衆衛生サービスや人々の医療関連行動に甚大な影響をもたらした。がん検診プログラムも例外ではなく、プログラムの一時停止や受検率の低下が懸念されてきた。
イタリアUniversity of BolognaのTegliaらは、乳がん・子宮頸がん・大腸がんを対象とする検診件数をパンデミックの前後で比較した観察研究・レジストリを特定し、パンデミック期間(2020年1月から10月)とがん検診との関連を調査するシステマティックレビュー・メタアナリシスを実施した。
結論
39件の論文が含まれた。乳がん検診は−46.7%、大腸がん検診は−44.9%、子宮頸がん検診は−51.8%の減少がみられた。件数はいずれもU字を描いていたが、大腸がん検診では2020年の5月以降も有意な減少が続いた。国や検診方式による違いもみられた。
評価
メタ解析により、がん検診の実施件数が世界的に大きく減少したことを確認した。こうした検診の停滞は、近い将来において早期がんの減少(https://www.jcancer.jp/news/12418)と進行がんの増加として現れる可能性が高く、パンデミックがもたらす遅発性医療システム負荷として懸念される。

