CHIPキャリアはAMI後心原性ショックの予後が悪い
Impact of Clonal Hematopoiesis in Patients With Cardiogenic Shock Complicating Acute Myocardial Infarction
背景
高齢者にかなりみられるクローン性造血(CHIP)は、血液腫瘍ばかりでなく、心血管疾患のリスク上昇とも関連するとされている。
ドイツUniversity of LeipzigのThieleらは、AMI後 の心原性ショック(CS)におけるCHIPの予後への影響を検討する前向研究を行った。CULPRIT-SHOCK試験参加者446名から血液サンプルを無作為に採取し、最も一般的な変異遺伝子を標的として解析した。一次アウトカムは、30日後の全死因死亡・腎代替療法である。
結論
変異アレル頻度2%以上のCHIPが29%で検出され、最も一般的な遺伝子はDNMT3A・TET2であった(全変異の各47%・36%)。CHIPキャリアは非CHIP患者と比較して高齢で腎機能が低下しており、NT-proBNP・炎症性バイオマーカーのレベルが上昇していた。CHIPは腎機能低下・心不全重症化・炎症と関連したが(OR 1.83)、全原因死亡との関連は有意でなかった(OR 1.67、p=0.069)。
評価
CULPRIT-SHOCKのサブ解析により、興味深い関連を指摘した。病態的意義と臨床応用に関して更なる検討が必要である。