心停止後の低体温療法、院内心停止でも利益示せず:HACA-IHCA試験
Temperature Control After In-Hospital Cardiac Arrest: A Randomized Clinical Trial
背景
院外心停止(OHCA)後の昏睡患者を対象とした低体温療法は、2013年発表のTTM試験、2021年のTTM2試験、2つの大規模ランダム化比較試験において、正常体温維持療法を上回るベネフィットがないことが明らかにされている。
ドイツUniversity of LuebeckのWolfrumらは、同国11施設の院内心停止(IHCA)後の昏睡患者を、24時間の低体温療法(32〜34℃)または正常体温療法(37.5℃超の回避)へと割り付けるランダム化比較試験HACA-IHCAを実施した(n=249)。
結論
1,055名の患者がスクリーニングされ、249名がランダム化を受けた。平均年齢は72.6歳で、73%は目撃あり心停止、25%がショック可能な初期リズム、自己心拍再開までの平均時間は16.4分であった。低体温群は4.1時間以内に目標体温に達し、正常体温群は平均37.0℃で48時間までコントロールされた。180日死亡率は低体温群72.5%、正常体温群71.2%(相対リスク 1.03)。院内死亡率はそれぞれ62.5%、57.6%であった(1.11)。
評価
試験は予定のサンプルサイズに達することなく無益中止となった。OHCAの場合と同様、IHCA後患者においても、重要なのは低体温ではなく、発熱の回避である、ということになろう。