積極降圧治療は悪性LVH患者に特に有効:SPRINT
Intensive Blood Pressure Lowering in Patients With Malignant Left Ventricular Hypertrophy
背景
SPRINTは、収縮期血圧(SBP)の集中コントロールの有益性を示すランドマーク試験であった。
同試験のアメリカAscherら(University of California)は、悪性左室肥大(LVH)患者の部分集団への効果の分析結果を発表している(n=8,820)。参加者をLVHの有無・バイオマーカー(hs-cTnT・NT-proBNPN)値で分類し、SBP低減の急性心不全(ADHF)のイベント・死亡および悪性LVHの発生・軽減への効果を評価した。
結論
SBPの集中コントロールは、全分類群でADHFイベント・死亡の相対的な減少を認めた。ADHFイベント・死亡の4年間の絶対リスク減少は、ベースラインで悪性LVHを有する参加者では4.4%、LVH・バイオマーカー上昇のない参加者 では1.2%であった。SBPの低減により、2年間の悪性LVHの発生率も低下した(OR 0.44)。
評価
SPRINTは120mmHg標的化の 140 mm Hg標的化への優位を結論付けて「行き過ぎ」との議論も呼び、特に有益な部分集団を同定しようとしてきた。LVHへの効果は説得力があるが、最近では伝導障害への有益性も学会発表している(https://www.tctmd.com/news/intensive-bp-control-may-stave-lv-conduction-disease-sprint)。