積極降圧治療は悪性LVH患者に特に有効:SPRINT
Intensive Blood Pressure Lowering in Patients With Malignant Left Ventricular Hypertrophy

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
October 2022
80
開始ページ
1516

背景

SPRINTは、収縮期血圧(SBP)の集中コントロールの有益性を示すランドマーク試験であった。
同試験のアメリカAscherら(University of California)は、悪性左室肥大(LVH)患者の部分集団への効果の分析結果を発表している(n=8,820)。参加者をLVHの有無・バイオマーカー(hs-cTnT・NT-proBNPN)値で分類し、SBP低減の急性心不全(ADHF)のイベント・死亡および悪性LVHの発生・軽減への効果を評価した。

結論

SBPの集中コントロールは、全分類群でADHFイベント・死亡の相対的な減少を認めた。ADHFイベント・死亡の4年間の絶対リスク減少は、ベースラインで悪性LVHを有する参加者では4.4%、LVH・バイオマーカー上昇のない参加者 では1.2%であった。SBPの低減により、2年間の悪性LVHの発生率も低下した(OR 0.44)。

評価

SPRINTは120mmHg標的化の 140 mm Hg標的化への優位を結論付けて「行き過ぎ」との議論も呼び、特に有益な部分集団を同定しようとしてきた。LVHへの効果は説得力があるが、最近では伝導障害への有益性も学会発表している(https://www.tctmd.com/news/intensive-bp-control-may-stave-lv-conduction-disease-sprint)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)