切除可能境界膵がんへの術前mFOLFIRINOX化学療法が有望
Efficacy of Preoperative mFOLFIRINOX vs mFOLFIRINOX Plus Hypofractionated Radiotherapy for Borderline Resectable Adenocarcinoma of the Pancreas: The A021501 Phase 2 Randomized Clinical Trial
背景
切除可能境界(borderline resectable)膵がんにおいて、術前補助化学療法が提案されているが、至適レジメンは特定されていない。
アメリカUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのKatzらは、切除可能境界膵管腺がん患者(n=126)の術前治療として、mFOLFIRINOX療法を行う1群、またはmFOLFIRINOX療法後に定位放射線治療(33-40 Gy/5回)または寡分割照射放射線治療(25 Gy/5回)を行う2群へと割り付ける、第2相ランダム化比較試験A021501を実施した。
結論
各群最初の評価可能な30名のうち、1群の57%、2群の33%がR0切除を受けた。中間解析後にランダム割り付けは中止され、以降の患者はすべて1群へと割り付けられた。評価可能患者の18ヵ月全生存率は、1群で66.7%、2群で47.3%であった。また、全生存期間の中央値は、それぞれ29.8ヵ月、17.1ヵ月であった。
評価
mFOLFIRINOX単独群のOSは標準治療のそれを上回った一方、放射線治療の併用については期待に反する結果となった。現在、第3相A021806試験が進行中であり(NCT04340141)、また、ゲムシタビンベースCRTとFOLFIRINOXのネオアジュバント比較について、PREOPANC-2試験も進行中である(EudraCT:2017-002036-17)。