脳底動脈閉塞への血管内治療、24時間まで有効:BAOCHE試験
Trial of Thrombectomy 6 to 24 Hours after Stroke Due to Basilar-Artery Occlusion
背景
前方循環閉塞での有効性にもかかわらず、後方循環閉塞での血管内治療(EVT)は確立されてこなかったが、その有効性を報告する2試験が相次いで発表された。
中国Xuanwu HospitalのJovinらによるBAOCHE試験は、発症から6〜24時間の脳底動脈閉塞患者を、内科的治療+血管内治療または内科的治療へと1:1で割り付ける多施設ランダム化比較試験であった(n=217)。
結論
発症からランダム化までの時間は中央値663分であった。事前指定中間解析の結果、試験は早期有効中止となった。修正ランキンスケール(mRS)0-3の機能的良好予後率(変更された一次アウトカム)は、血管内治療群で46%、対照群では24%であった(調整率比 1.81)。mRS 0-4(当初の一次アウトカム)はそれぞれ55%、43%であった(1.21)。症候性脳出血は血管内治療群の6%、対照群の1%で発生した。90日死亡率は血管内治療群31%、対照群42%であった。
評価
発症後12時間以内の患者を対象とした同じ中国のATTENTION試験とNEJM誌に併載された(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2206317)。最大24時間までの脳底動脈閉塞患者に対して、EVTによるアウトカム改善が期待できる。