「降圧薬は夜服用」を否定:TIME
Cardiovascular outcomes in adults with hypertension with evening versus morning dosing of usual antihypertensives in the UK (TIME study): a prospective, randomised, open-label, blinded-endpoint clinical trial
背景
降圧薬は朝より夜服用する方がよい、というデータがある。
イギリスUniversity of DundeeのMacDonaldら(TIME)は、高血圧症で少なくとも1種降圧薬を服用している18歳以上の成人21,104名を対象として、通常の降圧薬の夜(20:00~00:00)・朝(06:00~10:00)服用の効果・安全性を比較検証するRCTを行った。一次エンドポイントは、心血管死・非致死性心筋梗塞/非致死性脳卒中入院の複合である。
結論
中央値5.2年の追跡で、両群に一次エンドポイント差を認めなかった。安全性にも差はなかった。
評価
典型的には、MAPECが2,200人規模のRCTで、メジャーイベントリスクが1/3になる、として衝撃を与えたものである(https://www.tandfonline.com/doi/full/10.3109/07420528.2010.510230)。2万人以上が参加したこのTIME結果との乖離は甚だしく、決定試験が必要である。カナダのBedMedに期待がかかる(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35210352/)。