救急内ICU(ED-ICU)はコストをかけずに生存率を改善
Cost-effectiveness of an Emergency Department-Based Intensive Care Unit
背景
救急内集中治療室(ED-ICU)は、ICU医・病床数の不足とそれに伴う救急外来滞在時間の増大に対する解決策の一つとして、救急外来から重症患者へのケアを提供するモデルとして登場した。
アメリカUniversity of MichiganのBassinらは、同大学医療施設(年間患者数75,000人)に2015年に設置されたED-ICUの医療提供コストを評価する後向経済分析を実施した(n=234,884)。
結論
救急受診1回あたりの総直接費用(インフレ調整済)は、ED-ICUの導入前で4,875ドル、導入後では4,877ドルと変化がなかった。受診あたりの純収益7.0%増加し、直接マージン率は46.6%増加した。
評価
同施設では救急内ICU導入により、救急患者の30日死亡率がわずかに改善されたと報告している(https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2019.7584)。本論文の経済分析は、このモデルに医療経済的な保証を与えた。