TAVRでのCEPは無益?:PROTECTED TAVR
Cerebral Embolic Protection during Transcatheter Aortic-Valve Replacement
背景
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)における塞栓症予防のために脳塞栓保護(CEP)デバイスが発売・使用されているがその効果は。
アメリカCleveland ClinicのKapadiaら(PROTECTED TAVR)は、同患者3,000名を対象とするRCTを行った(対照:CEP不使用)。一次アウトカムは、TAVR後72時間以内または退院前の脳卒中である。
結論
CEPの一次アウトカムは効果を認めなかったが、後遺症の残る脳卒中はCEP群0.5%、対照群1.3%に発生した。死亡・脳卒中・TIA・せん妄・急性腎障害に差はなかった。CEPの1例(0.1%)で、アクセス部位血管合併症が発生した。
評価
著者らの結論は「無益」でなく、「有益性は否定できない」というものである。他方、NEJMEditorialは、「この試験はCEPへの希望に深刻な打撃を与える」とし、まったくのネガ結果でないとはいえ、FDAの代理エンドポイントベースの承認を批判している。