進行肝細胞がんへのカボザンチニブ+アテゾリズマブはPFSのみ改善:COSMIC-312試験
Cabozantinib plus atezolizumab versus sorafenib for advanced hepatocellular carcinoma (COSMIC-312): a multicentre, open-label, randomised, phase 3 trial
背景
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)と免疫チェックポイント阻害薬の併用は、いくつかの固形がんに対して有効性を示しているが、肝細胞がんに対しては。
アメリカUCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのKelleyらは、世界32ヵ国178施設の根治的治療・局所治療不能な進行肝細胞がん患者に対する初回治療として、カボザンチニブ+アテゾリズマブ、ソラフェニブ、カボザンチニブ単剤を2:1:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験COSMIC-312を実施した。
結論
最初の837名が解析に含まれた。ITT集団における無増悪生存期間(中央値)は、2剤併用群で6.8ヵ月、ソラフェニブ群で4.2ヵ月であった(ハザード比 0.63)。全生存期間は2剤併用群で15.4ヵ月、ソラフェニブ群で15.5ヵ月であった(0.90)。重篤な治療関連有害事象は、二剤併用群の18%、ソラフェニブ群の8%、カボザンチニブ群の13%で発生し、グレード5(死亡)有害事象は各群6件、1件、1件が発生した。
評価
2剤併用は疾患コントロールを改善し、PFSを延長したものの、もう一つのエンドポイントだったOSについては、有効性を示せなかった。