ICUで家族面会のあった患者は精神的後遺症が少ない
Psychiatric Outcomes in ICU Patients With Family Visitation: A Population-Based Retrospective Cohort Study
背景
患者の家族は、ICUケアの重要なメンバーとみなされるようになっており、ガイドラインなどでも患者と家族の面会が推奨されている。
カナダUniversity of CalgaryのMossらは、同国アルバータ州で2014年から2017年に3日以上ICUに滞在し、生存退院した成人患者の後向コホートにおいて、ICUでの家族面会と退院後1年間の精神科アウトカムとの関連を調査した(n=14,344)。
結論
96%の患者で対面での家族面会があった。患者の34.9%は退院後1年以内に精神疾患の診断を受け、不安障害(17.5%)、抑うつ障害群(17.2%)が一般的であった。家族との面会は、精神疾患診断のリスク低下と関連していた(リスク比 0.79)。
評価
家族との面会がICU退室後の精神的後遺症のリスク低下と関連することを初めて明らかにした。ICUケアへの家族の関わりは、集中治療後症候群(PICS)の予防という観点からもさらに重要となる。