重症肺炎への低用量メチルプレドニゾロンに益なし:ESCAPe試験
Low-dose methylprednisolone treatment in critically ill patients with severe community-acquired pneumonia

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Intensive Care Medicine
年月
August 2022
48
開始ページ
1009

背景

市中肺炎による入院患者に対してステロイドが有効である可能性があるが、データの規模は十分でない。
アメリカMemphis VA Medical CenterのMeduriらは、退役軍人病院に入院後72〜96時間以内の重症市中肺炎患者に対する低用量メチルプレドニゾロン療法(40 mgのボーラス負荷後、7日目まで40 mg/day、20日目まで漸減)の効果を検証するプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験ESCAPeを実施した。

結論

ランダム化された患者は、目標の1,420名に満たない586名であった。60日死亡率はメチルプレドニゾロン群16%、プラセボ群18%であった(調整オッズ比 0.90)。二次アウトカム・合併症にも有意差はなかった。

評価

リクルート不調のため、予定に大きく満たない試験サイズとなったが、短期・長期アウトカムともに、低用量メチルプレドニゾロンの効果は、ほぼ認められなかった。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)