ヘルメット型マスクはCOVID-19患者の低酸素性呼吸不全を改善せず:HELMET-COVID試験
Effect of Helmet Noninvasive Ventilation vs Usual Respiratory Support on Mortality Among Patients With Acute Hypoxemic Respiratory Failure Due to COVID-19: The HELMET-COVID Randomized Clinical Trial
背景
ヘルメット型マスクによる非侵襲的換気(NIV)は、フェイスマスクによるNIVを上回る有効性が期待されている。
サウジアラビアMinistry of National Guard Health AffairsのArabiらは、サウジアラビア・クウェートのCOVID-19肺炎による急性低酸素性呼吸不全患者を対象として、ヘルメットNIVと通常の呼吸サポート(マスクNIV、高流量経鼻酸素、標準酸素療法)を比較する多施設ランダム化比較試験HELMET-COVIDを実施した(n=320)。
結論
28日死亡率はヘルメット群で27.0%、対照群では26.1%であった(相対リスク 1.04)。ヘルメット群の47.2%、対照群の50.3%が28日以内に気管挿管を要した(0.94)。事前に指定されたいずれの二次エンドポイントとも群間差は認められなかった。圧損傷はヘルメット群の18.9%、対照群の15.5%で発生、皮膚褥瘡は、それぞれ3.1%、6.2%で発生した。
評価
HENIVOT試験(http://doi.org/10.1001/jama.2021.4682)に続き、メインアウトカムの改善は示されず、HENIVOT試験では認められた気管挿管率の改善も認められなかった。