心停止後患者でも肺保護換気か:TTM2試験の二次解析
Ventilatory settings in the initial 72 h and their association with outcome in out-of-hospital cardiac arrest patients: a preplanned secondary analysis of the targeted hypothermia versus targeted normothermia after out-of-hospital cardiac arrest (TTM2) trial
背景
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などでは肺保護的換気の有効性が確立されているが、心停止後患者についてはデータが少ない。
イタリアSan Martino Policlinico HospitalのRobbaらは、心原性または原因不明の成人院外心停止後昏睡患者(n=1,850)を対象に、低体温療法と正常体温療法を比較したランダム化比較試験、TTM2試験の事前指定サブ解析を行い、心停止後72時間の換気設定とアウトカムとの関連を検討した。
結論
1,848名が解析対象で、6ヵ月生存率は51%であった。1回換気量は中央値7 mL/kg、PEEPは7 cmH2O、プラトー圧は20 cmH2O、駆動圧は12 cmH2O、メカニカルパワーは16.2 J/分、ventilatory ratioは1.27、呼吸数は17回/分であった。呼吸数・駆動圧・メカニカルパワーは6ヵ月死亡率と独立して関連し、呼吸数と駆動圧は神経学的不良アウトカムとも関連した。計算式(4×駆動圧)+呼吸数は死亡率および神経学的不良アウトカム(オッズ比 1.244)と有意に関連した。
評価
心停止後患者を対象とした最大級のRCTデータを用いた観察研究から、肺保護換気が一般的に用いられていること、PEEPやプラトー圧、呼吸数、駆動圧などが長期死亡率と関連することを明らかにした。ここで得られた示唆を確証するRCTが必要とされる。