重症熱傷に対する経腸グルタミン投与に利益なし:RE-ENERGIZE試験
A Randomized Trial of Enteral Glutamine for Treatment of Burn Injuries
背景
重度熱傷患者に対するグルタミンの補給は、入院期間を短縮し、死亡率を低下させるとするデータがあるが、これらの研究は総じてサンプルサイズが小さく(https://doi.org/10.1002/14651858.CD007174.pub2)、確認が必要とされていた。
カナダQueen’s UniversityのHeylandらは、入院72時間以内のII度・III度熱傷患者を、グルタミン(0.5 g/kg/日)またはプラセボの経腸投与へと割り付ける多国籍ランダム化比較試験RE-ENERGIZEを実施した(n=1,209)。
結論
生存退院までの期間(中央値)は、グルタミン群40日、プラセボ群38日であった(ハザード比 0.91)。6ヵ月死亡率はそれぞれ17.2%、16.2%であった(1.06)。重篤有害事象に有意な差は認められなかった。
評価
重症熱傷患者へのグルタミン補充は一般に行われているが、過去最大のRCTとなった本試験ではベネフィットを認めなかった。ガイドラインの修正は必至である。