重症熱傷に対する経腸グルタミン投与に利益なし:RE-ENERGIZE試験
A Randomized Trial of Enteral Glutamine for Treatment of Burn Injuries

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
September 2022
387
開始ページ
1001

背景

重度熱傷患者に対するグルタミンの補給は、入院期間を短縮し、死亡率を低下させるとするデータがあるが、これらの研究は総じてサンプルサイズが小さく(https://doi.org/10.1002/14651858.CD007174.pub2)、確認が必要とされていた。
カナダQueen’s UniversityのHeylandらは、入院72時間以内のII度・III度熱傷患者を、グルタミン(0.5 g/kg/日)またはプラセボの経腸投与へと割り付ける多国籍ランダム化比較試験RE-ENERGIZEを実施した(n=1,209)。

結論

生存退院までの期間(中央値)は、グルタミン群40日、プラセボ群38日であった(ハザード比 0.91)。6ヵ月死亡率はそれぞれ17.2%、16.2%であった(1.06)。重篤有害事象に有意な差は認められなかった。

評価

重症熱傷患者へのグルタミン補充は一般に行われているが、過去最大のRCTとなった本試験ではベネフィットを認めなかった。ガイドラインの修正は必至である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)