リウマチ性心疾患でのAFにはリバーロキサバンは使えない:INVICTUS
Rivaroxaban in Rheumatic Heart Disease-Associated Atrial Fibrillation

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
September 2022
387
開始ページ
978

背景

リウマチ性心疾患での心房細動(AF)患者の心血管イベント予防にもリバーロキサバンは効果があるか。
カナダPopulation Health Research InstituteのConnollyら(INVICTUS)は、これを検証する非劣性RCTを行った(n=4,565、対照 VKA)。試験参加条件は、CHA2DS2VAScスコア 2以上、僧帽弁口面積2cm2以下、左房内もやもやエコーの存在、UCG上左房内血栓の存在であり、一次有効性アウトカムは脳卒中・全身性塞栓症・心筋梗塞・血管系原因死亡・原因不明死亡の複合、一次安全性アウトカムは、ISTH定義による大出血である。

結論

リバーロキサバンのVKAへの一次有効性アウトカム劣性を認めた(平均生存期間の差 -76日)。一次安全性アウトカムに群間差はなかった。

評価

期待を裏切る驚きの劣性結果である。リウマチ性心疾患によるAFが加齢・虚血性心疾患他によるAFとかなり違う、ということともみられるが、機序はまったく不明である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)