ADHFのループ利尿薬標準治療へのアセタゾラミド追加は有益:ADVOR
Acetazolamide in Acute Decompensated Heart Failure with Volume Overload
背景
急性非代償性心不全(ADHF)治療の現在の焦点は、ループ利尿薬の効率改善である。
ベルギーZiekenhuis Oost-LimburgのMullensら(ADVOR)は、標準ループ利尿薬静注へのアセタゾラミド静注(500mg/日)追加の効果・安全性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ、n=519)。一次エンドポイントは、無作為化後3日以内のうっ血除去の成功(ボリュームオーバーロード徴候なし、うっ血治療薬増量不適応)である。
結論
アセタゾラミド追加の一次エンドポイント効果を認めた(RR 1.46)。全原因死亡・心不全再入院(二次エンドポイント)に差はなかった。有害事象の発生率に群間差はなかった。
評価
同薬が標準ループ利尿薬低奏効患者へのオプションとなる、という良質のエビデンスを提出した。ただし、SGLT2阻害薬投与患者を除外したデザインは問題であろう。