HFpEF患者へのダパグリフロジンの有益性を保証:DELIVER
Dapagliflozin in Heart Failure with Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction
背景
SGLT2阻害薬は、心不全治療薬として確立されつつある。
アメリカBrigham and Women’s HospitalのSolomonら(DELIVER)は、HFpEF(LVEF40%以上)の患者6,263名を対象として、通常治療へのダパグリフロジン追加の効果・安全性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、心不全悪化(心不全による予定外入院/心不全による緊急受診)と心血管死の複合である。
結論
中央値2.3年の追跡で、ダパグリフロジンの一次アウトカム効果を認めた(HR 0.82)。この効果はDMの有無等による事前特定サブグループで一貫しており、有害事象発生率に群間差はなかった。
評価
本質的にEMPEROR-Preserved(エンパグリフロジン)と軌一する結果だが(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2107038)、高BMI者やNYHAIII/IV患者でも有益としており、さらなる有用性を担保している。