心停止蘇生後昏睡患者での高い血圧目標値は転帰を改善せず:BOX試験
Blood-Pressure Targets in Comatose Survivors of Cardiac Arrest
背景
BOX試験は、院外心停止後の昏睡状態にある成人患者(n=789)を、酸素化目標値および平均動脈圧目標値について、それぞれ2群に割り付けた2×2要因デザインによるランダム化比較試験である。
デンマークCopenhagen University Hospital RigshospitaletのKjaergaardらは、平均動脈圧目標値63 mmHgまたは77 mmHgへ割り付けられた患者における、90日時点のCPC 3-5(高度障害〜死亡)の割合を報告した。
結論
一次アウトカムイベントは高目標群の34%、低目標値群の32%で発生した(ハザード比1.08)。90日死亡率は31%、29%であった(1.13)。その他のアウトカムについても有意な差は無かった。
評価
高い血圧目標は脳灌流の維持に有益である可能性が指摘されていたが、この試験では高い目標値と低い目標値の間にアウトカム差は認められなかった。平均血圧65 mmHg以上での管理を推奨する現在のガイドラインを支持する結果といえる。