がんサバイバーの心血管系疾患リスク増を確定:ARIC
Cardiovascular Disease Risk Among Cancer Survivors: The Atherosclerosis Risk In Communities (ARIC) Study
背景
ARICは、アメリカを代表する人口集団ベース心血管系疾患(CVD)リスク研究の一つである。
Johns Hopkins University School of MedicineのFloridoらは、同研究参加者の中央値13.6年追跡データに基づき、がんサバイバーのCVDリスクを評価した(n=12,414)。
結論
年齢調整CVD発生率(/1,000人年)は、がんサバイバーで23.1、非がん参加者では12.0であった。心血管危険因子調整後、がんサバイバーはCVD(HR 1.37)・HF(1.52)・脳卒中(1.22)のリスクが有意に高いが、冠動脈疾患リスクは有意でなかった(1.11)。乳がん・肺がん・大腸がん・血液・リンパ系がんはCVDリスクと有意に関連していたが、前立腺がんは関連していなかった。
評価
この問題に関する最も高信頼度の数値である。CVDリスク因子調整後にも残るリスクは、がん(治療)とCVDの共通基盤を示唆する。ただし、ARIC自体は腫瘍学研究でなく、また、前向研究でもない。がんサバイバーを対象とした予防介入研究が正当化される。