頭部外傷バイオマーカーGFAP・UCH-L1は重症・中等症で予後予測を改善
Prognostic value of day-of-injury plasma GFAP and UCH-L1 concentrations for predicting functional recovery after traumatic brain injury in patients from the US TRACK-TBI cohort: an observational cohort study
背景
グリア細胞線維性酸性タンパク質(GFAP)、ユビキチンC末端加水分解酵素LI(UCH-L1)はともに外傷性脳損傷(TBI)における意思決定マーカーとして注目されている。
アメリカUniversity of MichiganのKorleyらは、TBI患者で頭部CTを受傷後12ヵ月にわたってフォローアップを行ったTransforming Research and Clinical Knowledge in Traumatic Brain Injury(TRACK-TBI)研究において、受傷当日に採取された血漿中のGFAP、UCH-L1が有する予後予測精度を定量的に評価した(n=2,552)。
結論
6ヵ月時点のフォローアップが行われた1,696名が解析に含まれた。7.1%が死亡、13.9%が不良アウトカム(Glasgow Outcome Scale-Extended [GOSE-TBI]が4以下)、66.9%が不完全な回復(GOSE-TBIが8未満)の状態にあった。6ヵ月死亡・不良アウトカム・不完全回復についてのGFAPの予測精度の曲線下面積(AUC)は各0.87、0.86、0.62であり、UCH-L1は各0.89、0.86、0.61であった。AUCは、グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)13-15の軽症TBI患者と比して、GCS 3-12の中等症・重症TBI患者で高かった。既存の予後モデルへのGFAP・UCH-L1の追加は、GCS 3-12の患者で死亡・不良アウトカムの予測を改善した。
評価
GFAP・UCH-L1はともにTBIのバイオマーカーとして研究が進んでおり、軽症TBIに対するCT撮影意思決定での使用についてFDA認可も得ている。この研究は特に中等症以上の患者で、GFAP・UCH-L1による予後予測の改善がもたらされることを明らかにした。