「ヘビーでない」スモーカーの肺がんリスクは非喫煙者の10倍
Assessment of Lung Cancer Risk Among Smokers for Whom Annual Screening Is Not Recommended
背景
肺がんの高リスク者に対する低線量肺がんCT検診については、アメリカ予防医学専門委員会(USPSTF)がNLST試験などの結果を受け、現在または禁煙15年以内の重喫煙者に対する検診として推奨している。
アメリカVeterans Affairs Medical CenterのFaselisらは、現在推奨の対象となっていない20 pack-years(1日AパックをB年でA×B pack years)未満の現在喫煙者、および15年以上前に禁煙した20 pack-years以上の過去喫煙者に対する低線量CT検診の効果を検証するため、65歳以上のコミュニティ住民を対象に、喫煙歴の広範な収集を行ったCardiovascular Health Studyデータセット(n=4,279)を用い、喫煙歴と肺がんリスクの関連を検討した。
結論
20 pack-years未満の現在喫煙者(n=100)における、非喫煙者と比較した肺がん発症ハザード比は10.54であり、20 pack-years以上、禁煙15年以内の過去喫煙者(n=146)では11.19であった。
評価
現状は低線量CT検診の推奨対象ではない集団であるが、本研究のデータでは、一般集団の10倍を超える高い肺がんリスクを有しており、低線量CT検診が有効な可能性がある。

