魚を多く食べる人ほど皮膚がんリスクが高い?
Fish intake and risk of melanoma in the NIH-AARP diet and health study
背景
魚の食事摂取はさまざまな健康上の利点を持つと考えられているが、意外なリスクを示唆する研究が登場し、話題をよんでいる。
アメリカBrown School of Public HealthのLiらは、NIH-AARP Diet and Health Studyの参加者491,367名において、魚全般および種類別の摂取量と黒色腫との関連を検討した。
結論
中央値15.5年、6,611,941人年のフォローアップ期間中に、5,034件の悪性黒色腫、3,284件の表皮限局病変(melanoma in situ)が発見された。魚の総摂取量は悪性黒色腫のリスク(最高五分位と最低四分位のハザード比 1.22)、melanoma in situのリスク(1.28)と関連した。人口統計学・ライフスタイル因子について調整しても、この正の相関は維持された。
評価
相対リスクにして最大20%程度ではあるものの、大規模データにより、魚の摂取量とメラノーマ発症が正の相関を持つことが示された。魚介類では水銀など海洋汚染物質の蓄積が起こることから、そうした物質がリスクを媒介している可能性もあるが、まずは日照時間が多い地域、あるいは紫外線を多く浴びる生活習慣といった交絡因子が十分に除去されなかった可能性を検討すべきであろう。