重症患者での鎮静、デクスメデトミジンはせん妄を軽減する:メタ解析
Dexmedetomidine vs other sedatives in critically ill mechanically ventilated adults: a systematic review and meta-analysis of randomized trials
背景
デクスメデトミジンは、ICUで従来用いられてきた鎮静薬に比して浅い鎮静が可能で、せん妄も軽減されると考えられている。
カナダSt Joseph’s Healthcare HamiltonのLewisらは、システマティックレビュー・メタアナリシスにより、デクスメデトミジンがせん妄を軽減しうるか検討した。
結論
77件のランダム化比較試験が含まれた(n=11,997)。デクスメデトミジンによる鎮静は、せん妄のリスクを減らし(相対リスク 0.67, 中程度の確実性)、人工呼吸器装着期間とICU入室期間を短縮した(低い確実性)。一方でデクスメデトミジンは、徐脈(相対リスク 2.39)と低血圧(1.32)のリスクを増加させた。
評価
デクスメデトミジンによる鎮静により、せん妄が予防され、人工呼吸期間・ICU期間が短縮されることを確認した。使用によるリスクとして、徐脈・低血圧が増加したものの、介入の必要性は増加していなかった。